今回は広背筋の働き・鍛え方・鍛えるうえでのポイントを詳しく解説していきます。
トレーニングには「意識性の原則」というものがあります。
意識的にトレーニングするには、広背筋の働きや構造について理解する必要があります。
わかりやすく解説しているので、これから逆三角形ボディを作りたい方、筋トレ初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
広背筋とは?
出典:筋肉を覚えよう
広背筋は、背中の中部から下部から脇の下にかけて広がる人体で最も面積の大きい筋肉です。
・腕を前方から後方へ引く動き(肩関節の伸展)
・上方から下方へ引く動き(肩関節の内転)
の動作の主導筋
この筋肉が発達すると、いわゆる逆三角形ボディが形成されます。
速筋:遅筋 = 49.5:50.5%です(個人差があります)。
筋体積は550㎠です。
広背筋は起始は4つ・停止は1つあります。
広背筋の起始と停止
①起始:下位第6(または7)胸椎から第5腰椎にかけての棘突起
②起始:正中仙骨稜
③起始:腸骨稜の後方
④起始: 肩甲骨の下角、第9(または10)~12肋骨
停止:上腕骨の小結節稜
簡単にいうと、上腕から腰にかけて伸びている筋肉です。
次に広背筋の働きについて解説していきます。
広背筋の働き
- 肩関節の伸展
腕ををに引く動作です。
- 肩関節の内転
腕を高くあげた状態から腕を内側に下す動作です。
- 肩関節の内旋
肩を内側にひねる動作です。
- 肩関節の水平外転
水平に上げた腕を後ろに回転させる動作です。
次から広背筋を鍛えるオススメの種目をご紹介していきます。
広背筋を鍛えるオススメの種目
広背筋を鍛える種目
広背筋を鍛える種目
- 懸垂
- ラッドプルダウン
- シーテッドロウ
- ケーブルロウ(ローロウ)
- ベントオーバーロウ
- Tバーロウイング
- ダンベルプルオーバー
- ストレートアームプルダウン
などがあげられます。
広背筋の主な働きは、肩関節の伸展と肩関節の内転です。
なので、この動きがあるメニューを取り入れるのがいいでしょう。
広背筋を鍛える種目は大きく分けて、2つあります。
・上から引くプル系(懸垂やラットプルダウン)
・体の前面から後ろに引くロウイング系(ダンベルロウ、バーベルロウ)
の2つです。
よく、プル系で広がり、ロウイング系で厚みを形成すると言われます。
その理由はプル系の種目だと広背筋上部を鍛えやすく、ロウイング系の種目だと、僧帽筋中部下部に効きやすいからです。
ロウイング系の種目でしっかり広背筋に効かせるには、その種目でどの動き(肩関節の伸展なのか肩関節の内転なのか)のトレーニングなのかを意識する必要があります。
プル系の種目とロウイング系の種目でそれぞれ特徴をみていきましょう
広背筋を鍛えるプル系種目
・懸垂
・ラットプルダウン
広背筋を鍛えるプル系の種目の特徴
・肩関節の内転がメイン
・広背筋のストレッチさせやすい
懸垂かラットプルダウンどちらを先にやるべきか
結論からいうと「懸垂」をオススメします。
なぜなら、懸垂のほうが、体を持ち上げる時の軌道が決まっていないため、体を安定させるために、広背筋だけでなく、大円筋や小円筋といった小さな筋肉も動員されるからです。
それにより凹凸のある、立体的にかっこいい広背筋をつくることができます。
初心者こそフリーウエイトで、懸垂から始めるのが良いと思います。
もし懸垂でなくラッドプルダウンをやる場合は、上半身を後ろに倒すことを意識してください。
そうすると、広背筋の筋活動が増えるといわれています。
懸垂やラッドプルダウンをやる際のグリップは小指と薬指で強く握って、親指はサムレスグリップ(腕に力が入らないようにする)で行うのがいいです。
握り方のそれぞれ特徴
・オーバーハンドグリップ(順手)
ストレッチ弱く収縮が強い
・リバースグリップ(逆手)
ストレッチ強く収縮が弱い
・パラレルグリップ(平行)
順手と逆手の中間
始めてやる人は、順手からのスタートでいいと思います。
広背筋を鍛えるロウイング系種目
・ベントオーバーロウイング
・ダンベルロウイング
・Tバーロウイング
・ケーブルロウ
広背筋を鍛えるロウイング系の種目の特徴
・肩関節の伸展と肩甲骨の内転の動きがメイン
・ストレッチしにくい。(ケーブルロウなどでは前傾させるのがよい)
・肩甲骨の内転しやすいので、僧帽筋の中部下部にも効きやすい
・肩甲骨の内転が大きければ大きいほど、僧帽筋を中部と下部に効く
・広背筋に効かせるには、肩甲骨を下制(肩を下げる)と肩の伸展(脇を閉じて引く)を意識することが大切
次から広背筋の形や働きを考慮したうえで、広背筋を鍛える上でのポイントを解説していきます。
広背筋を鍛える上でのポイント
- 可動域をしっかり確保する(ストレッチ&収縮)
- 体の向きと平行にウエイトを持ち上げない
- 肩甲骨を下制させる(引っ張るときに肩をすくませない)
- チートを使わない
- 上半身はスイングさせない
- メイン種目の重量を伸ばす
- 週に14~22セット
- 週に2~4回
- 5~20repの間でいろんな刺激を与える
- プル系の種目は肩関節の内転を意識
- ロウイング系の種目は肩関節の伸展を意識する
- ロウイング系の種目の際に肘を開かない(脇を閉じる)➡肩関節の伸展動作に繋がります。
上記のようなことを意識してトレーニングしてみてください。
大事なことは、プル系の種目では肩関節の内転、ロウイング系の種目では肩関節の伸展を意識することです。
効率よく広背筋を鍛えるプログラム
重量を扱えるコンパウンド種目から順にアイソレーション種目をやりましょう。
1.懸垂
肩関節の内転を意識して行う。
懸垂ができない人は
・チューブで補助をつける
・ジャンプして、ネガティブ動作をしっかりやる
のどちらかに取り組むのがいいです。
高重量で5~8RMで行う。
レップ数は少なめでインターバルは長め
例)5レップ3セット インターバル3分
懸垂についてはこちらで詳しく解説しています
2.ベントオーバーロウ
骨盤を前傾させて、腰のあたりに引くイメージ。
肩関節の伸展動作を意識して、脇を閉じて行う
脇が開くと、僧帽筋に効いてしまう。
例) 8~12レップ 3セット インターバル2~3分
3.ケーブルロウ(ローロウ)
前傾させてしっかり広背筋をストレッチさせます。
肩関節の伸展動作を意識して、脇を閉じて行う。
例) 10レップ程度 3セット インターバル2~3分
4.ストレートアームプルダウン
最後に、追い込むために、ストレートアームプルダウンを行います。
例)12~20レップ程度 3セット インターバル1分
まとめ:広背筋を鍛えて逆三角形ボディを手に入れよう
最後に記事の内容をおさらいしましょう。
- 広背筋は最も面積の大きい筋肉である
- 肩関節の伸展と肩関節の内転の主導筋である
- プル系とロウイング系の種目で広背筋を効率的に鍛えることができる
- プル系では肩関節の内転・ロウイング系では肩関節の伸展を意識する
トレーニングメニューの例はあくまでも一例です。
自分でやりながら工夫して、理想の体型を目指しましょう。
他にも筋トレの情報発信をしているので、ぜひ参考にしてみてください。
今回は以上です。